このホームページを見ていただいている皆様も、自分自身の健康診断などで尿検査を実施することはあるかと思います。
当院でも様々な症例に対して尿検査を実施しております。
お家で取って来ていただいた尿からわかることというのは非常に多く
かなり有用な検査ではあるのですが
実際の検査でどんなことがわかるのか?知らないことも多いと思います。
そこで、このページではわんちゃんやねこちゃんの尿検査で何がわかるのか?を具体的に解説したいと思います。
まず、持ってきていただいた尿の色や臭い、透明度などを判定します。
次に尿の一部を尿試験紙という特殊な試験紙を用いて
化学的な性質を判定します。
当院ではこの機械で行っております。
この機械では、尿のpH、潜血反応、尿糖の有無や尿タンパクなどが評価できます。
何よりこの機械の特徴はUPC(尿タンパク/クレアチニン比)という項目を測定できることです。
この項目は簡単に言うと、尿に出ているタンパク質の量を数字で出してくれるということです。
UPCは腎機能の評価の一つとして有用であり
IRIS(国際獣医腎臓病研究グループ)が提唱している慢性腎臓病のステージングにも必要な項目の一つとされています。
化学的な性質を確認した後は、尿の一部を遠心分離にかけて
上清で尿比重を測定し、沈渣の成分を顕微鏡で確認します。
それにより、濃い尿なのか薄い尿なのか?や
炎症が起きていないか?出血がないか?結晶が出ていないか?感染がないか?などがわかります。
以上が尿検査の流れになります。
具体的に、どんな場面で尿検査をするのか?ということですが
健康診断の一つの検査としてはもちろん
多飲多尿(お水をたくさん飲んで、おしっこの量が多いこと)を認める症例
頻尿や血尿を認める症例
尿石症の既往があり、療法食を食べている症例
腎臓病の症例
などで尿検査をすすめています。
特に尿石症の方や腎臓病の方に関しては定期的な尿検査をおすすめしています。
もし、お家のわんちゃんやねこちゃんの尿検査をしてほしい
という方がいらっしゃればお気軽にスタッフまでお問い合わせください。
よろしくお願いいたします。