こんにちは。
2月7日(日)
9時30分から12時
14時から18時です。
大山院長の診察となります。
これからは日曜日は大山院長の担当となりますのでご注意ください。
以下、駄文です。
学生時代は授業中にトイレに何回もいくやつてのは大概不良と相場が決まってますが
猫さんで何度もトイレに行くのは怖いことがあります。
単なる膀胱炎じゃなくて、下手したら死んじゃうかも。
特に男の子は。
という認識でいいのかも。
何が怖いていわゆる「尿道閉塞」というやつです。
尿道がつまっておしっこが出なくなる病気です。
簡単にいうと詰まりが取れたら治ります。
なのに死んじゃうことがあるてのは言い過ぎじゃない?
と思うかもしれませんが、強ち間違ってないと思います。
だから
「トイレに何回もいく」
「ぎゃあぎゃあなく」
「嘔吐、下痢する」
「ハアハアする」 は連れてきてねて話なので
めんどいかたは下は読まなくて大丈夫です笑
。。。
おしっこが出る=体の中の毒が出る
なので
「おしっこが出ない状況」は「体に毒がたまり続ける」状況に等しいです。
24時間以上続くと
脱水、徐脈、低体温、意識障害という全身状態の悪化を引き起こします。
死んじゃうことのある大きな理由の一つは
高カリウム血症です。
カリウムが心臓を止めちゃいます。
医学的にいうと
カリウムが心筋の刺激伝導系に働きかけ、脱分極速度を低下させることで
徐脈、不整脈を引き起こし
ひどくなると心停止します。
。。。
実はこの尿道閉塞てやつは昔から結構知られてる病気です。
だから診断自体はそんな難しくないんですが、
最近だと出来る事、わかることが増えたので
診断の仕方や治療の仕方が圧倒的に変わってきてると思います。
。。。
例えば上のような稟告の雄猫さんが来たとしたら
僕ならどうするか。
1:身体検査(バイタルチェックとお腹の張り)
2:FAST検査(腹水の貯留の確認)
3:静脈ルートの確保と血液検査(血液ガス分析含む)
を行います。
高カリウム血症を伴う不整脈はマジでやばいので
高カリウムの程度に応じて
ブドウ糖やらグルコン酸Cαやら重炭酸やらインスリンやらテルブタリンやらで
先ずはカリウムを下げようと思います。
また、エコーで心臓に水が足りてなさそうなら、すぐに静脈点滴を考えうる適切な容量で始めますし
解除より先に膀胱から尿を抜いていくかもしれません。
血液ガスでアシデミアがありそうならそれに介入してきます。
何が言いたいのかっていうと大事なのは
「状態の安定化」です。
詰まってるから解除すりゃいいて
まあそりゃそうなんですが
単純な話ではないんです。
。。。
なんだか色々な方からお話を伺ってると
え、まじで?みたいな治療がされてることが多いです。
昔はそうだったと思うので間違ってはないと思うのですが
医学は日進月歩です。
。。。
ちなみに状態が安定化しました。
尿道にカテーテルが通って無事解除できました。
てなっても半分くらいの猫さんは閉塞後利尿がおこります。
利尿がかかれば、また循環血液量は足りなくなりますので
点滴の量を増やしたり、カリウムを逆に失いすぎないようにとか
調節が必要です。
先日は他院さんで尿道閉塞だと言われて入院してた子が良くならずに
入院3日目でそのまま当院に来られたことがありました。
尿検査をしたら細菌がすごく出ていました。
尿道カテーテルを入れた猫の
13~33%は感染を起こしたという報告もあるので
要注意です。
。。。
大山が昨日書いてましたが
著名な先生方と症例検討会をしてました。
大山はそこで意見を述べてました。
先生方話されてることがアカデミックで、自分は到底及ばないんで
少しやる気を失いました。
この紫くらいになりました。
ただ、僕は町医者なので
アカデミックを簡潔に咀嚼されたものを
いかに都合よく、患者さんたちに
落とし込めるかが勝負です。
1パーセントは大山に任せて
99パーセントに力を注ぎます。
なんたって、いい病院を作って
出来る先生を雇っちゃえばいいんだから笑
では。
“2月7日(日)の診察時間です。平日20時まで、年中無休で診察します。静岡市清水区の動物病院 みなとまちアニマルクリニックです。トイレに何度もいく猫さんは怖いです。” への2件のフィードバック
いつもお世話になり、ありがとうございます。
「できる先生を雇っちゃえばいい…」…なんてステキな考え方(笑笑)
望月先生のファンとしては最近の目を見張るほどのお忙しさには いささか寂しいような……に、つながりますが。
いつだったか、診察室から望月先生の「やっべえ!」って声が待合室にいる時に聞こえたことがありまして、状況はわかりませんでしたが、なんかこういうの好きだわ…と、思わずニンマリした次第です。
大山先生はいつも(今日も)処方薬の効能を詳しく教えてくださるので、私の知恵袋キャバが膨らんでます。
望月先生も大山先生も原先生も、本当にわかりやすく丁寧に説明してくださって、処方薬の内容や今後の治療など、毎回帰宅後に覚書として記録してます。
この数年で100匹以上の猫さんが里親さんにつながりましたが、いろいろな相談を受ける機会がとても多く、中でも「どこのお医者さんがいいかわからない」が群を抜いてます……昨日も相談されました。
説明されても業界用語がわからないとか、聞きたいことがあるけど聞きにくいとか、ですね。
「先生と患者の意見交換会みたいなのがあったら思う存分教えてもらうんだけどな」と殆どの里親さんが話してました。それだけ納得してない、コミュニケーションに飢えてるって事です。
余談ばかりで長文になってしまいました、すみません。
また水曜日に伺いますので、よろしくお願いします。
平井さん
こんにちは。
そう言っていただけたら幸いです笑
研究者 → 医療従事者 → 患者さん という流れが明確である以上
僕らの仕事は通訳みたいなもんです。
ロシア語をフランス語に変えて日本人に伝えようとしたら、かっこいいですが伝わりません。
患者さんの理解力が足りないのではなく、わからない説明をする医者がバカなんです。
おんなじ、動物好きとして、楽しくコミュニケーションしましょう。