フィラリア症の予防に関して

わんちゃんのフィラリア予防につい

フィラリア症というのは、ご存知かもしれませんが

蚊によって媒介されるフィラリアという寄生虫による感染症です。

フィラリアにすでに感染している犬を蚊が刺し

その同じ蚊に刺された時に感染が成立する可能性があります。

蚊に刺される同時にフィラリアの幼虫が犬の体内に侵入し

およそ6〜7ヶ月程度の期間をかけて成虫へと成長していきます。

フィラリアの成虫は最終的に肺動脈と呼ばれる肺の血管や

場合によっては心臓の中に到達します。

そのため、肺の血管を傷つけたり、心臓の血液の流れを妨げたりします。

その結果、咳が出たり、腹水が出てきたり、失神したりします。

最悪の場合は、呼吸困難になり死亡します。

上記のようにフィラリア症というのは非常に恐ろしい病気ではあるのですが

基本的に予防が可能な病気です。

一般的にはフィラリアの駆虫薬を1ヶ月に1回

蚊の発生する時期に飲んでいただくことで

ほぼ100%の予防が可能です。

ただ、この駆虫薬を飲む期間にも注意が必要でして

基本的に、蚊が発生する月の翌月から投薬をスタートし

蚊の発生が終わる月の翌月まで飲んでいただく必要があります

というのも、薬を飲んで1ヶ月間薬の効果があると勘違いされている方も多いですが

実際は、フィラリアを駆虫する薬になりますので

例えば、今日薬を飲んだとすると

今日までに罹っているフィラリアを駆虫することはできますが

明日から感染する分に関しては、翌月の薬で駆虫するという形になります。

ですので、静岡県の場合

蚊が発生するとされる4月〜11月という期間を一ヶ月ずらして

5月〜12月の8ヶ月間がフィラリアの駆虫薬を飲む期間となります。

もう一つ、注意点があります。

フィラリアの駆虫薬を飲み始める前に

血液検査によりフィラリアに感染していないかを確認する必要があるということです。

フィラリアが体内にいる状況で、フィラリアの駆虫薬を飲んでしまうと

体内のフィラリアが急激に死滅することにより

アナフィラキシー症状を引き起こし、命に関わる可能性があります。

ですので、当院では基本的に3月末から5月にかけて

その年のフィラリアの駆虫薬を開始する前に血液検査を実施しております。

フィラリアの駆虫薬を飲むことも、そのために血液検査を実施することも

わんちゃんが安心して生活していくために必要なことですので

きちんと実施していただくことを推奨しております。

ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

また、フィラリア検査と同時に

肝臓や腎臓の項目などの全身の血液検査も行うことが可能です。

春のフィラリア検査の際に

健康診断の意味合いも込めて

全身の血液検査をすることも合わせて推奨しております。

ねこちゃんのフィラリア予防について

猫ちゃんのフィラリア症はわんちゃんとは大きく異なります。

本来、わんちゃんや猫ちゃんに寄生するフィラリア症の原因寄生虫は

犬糸状虫と呼ばれる通り、基本的にはわんちゃんに寄生します。

つまり、フィラリアの寄生虫と猫ちゃんとの相性は決してよくないわけですね。

そのため、猫ちゃんの体の中でフィラリアの寄生虫はあまり長生きできません。

猫ちゃんの体の中ではフィラリアは成虫まで成長する確率が低いわけです。

つまり、猫ちゃんのフィラリア症は

わんちゃんと比較するとかなり発生頻度は少ないです。

じゃあ、予防しなくていいじゃん!と思うわけですが

猫の体がフィラリアに適していないという点が

逆に診断が難しいというデメリットにつながります。

(わんちゃんみたいに院内でできる血液検査だけで診断するのが難しいです。)

また、発症した場合の症状としては

喘息に似たような咳、嘔吐・下痢などの消化器症状、元気がなくなる、突然死など

非常にバラエティに富んだ症状が見られます。

このような点からも診断するのに時間がかかってしまう場合が多いです。

それに加えて、非常に厄介なことに

猫の体の中でフィラリアが成虫まで成長してしまうと

安全な治療法がほぼないのが現状です。

つまり、猫ちゃんのフィラリア症という病気は

発生頻度は少ないものの

診断が難しく

感染したフィラリアが運良く体の中で成長してしまうと

治療法がほぼ存在しないというかなり怖い病気です。

じゃあ、どうすればいいの?となるわけですが

基本的には、フィラリアに感染してしまっても

成虫になる前にフィラリアを駆虫してしまえば

成長になるのを防ぐことができます

そのため、猫ちゃんのフィラリア症を防ぐためには

わんちゃんと同じように

フィラリアのお薬を月に一度投薬していただく必要があるわけですね。

以上のような理由から

当院においても、猫ちゃんのフィラリア予防を推奨しております

 

もちろん、発生頻度の高い病気ではありませんので

猫ちゃん全員に予防をしましょう、というのではなく

どちらかというと

フィラリア症に実際なってしまった時に

何で予防しておかなかったんだろう?と

後悔してほしくないので推奨するような感じです。

フィラリア症は予防をきちんとすれば、ほぼ100%防げる病気です。